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イシイチコログ

近況と雑記

帰省前に読むと怖い本


みんなどうしてる?正月の帰省・夫の実家vs妻の実家 - NAVER まとめ

  年末年始の帰省。夫と妻、どちらの親もないがしろにはしたくないけど、身体はひとつしかない。まとめは〈円満の秘訣はやっぱり思い遣り〉という言葉で締めくくられているが、自分は「思い遣り」のつもりでも相手にとってはそうではないことがあるからこじれるわけで。

 そもそもすべての親が我が子に帰ってきてほしいと思っているとはかぎらないよな、と考えてしまったのは、近藤史恵の『私の命はあなたの命より軽い』(講談社)を読んでしまったからだろう。

 初めての出産を間近に控えた主人公の遼子が、大阪の実家に帰るところから物語は始まる。本当は東京で産む予定だったが、夫の海外赴任が急に決まったのだ。両親は仲が良いし、年の離れた妹は可愛い。自分は恵まれていると思っていた。ところが、久しぶりに会った家族の態度がおかしい。おまけに父はまだ新しい家を売ると言いだす。いったい何があったのか。

 手がかりを出す順番や出し方が非常に巧妙で、じりじりと追い詰められる。真実を知るのが怖いのに、ページをめくるのがやめられない。タイトルの意味がわかる後半には戦慄した。知っているつもりだった家族が異星人のように見える。いくら普段は理解があっても、抑圧しない親なんていない。思い通りに育つ子供もいない。独立したら基本的には別の家だし、血がつながっているからこそわからないこともある。お互いの存在がストレスになるなら距離をとればいいのだ。

私の命はあなたの命より軽い

私の命はあなたの命より軽い