イシイチコログ

近況と雑記

『愛は毒か 毒が愛か』

友人がTwitterで紹介していた「ラブピースクラブ」の コラムで知った編集者・ライターの高山真さん。

どの文章もおもしろくて、WEBに載っているコラムは全部読んでしまいました。

もっと読みたくなって『愛は毒か 毒が愛か』を購入。

世の中は平等ではないわ。差別に満ちている。でも、ひとつだけ、年齢とか性別とか国籍とかセクシュアリティとか出自とか経済状況とかハンディキャップの有無にかかわらず、すべての人に平等に与えられているのは、“考える自由”なのではないかしら。しかも、なんらかの差別・偏見に晒されたことがある人は、そのことをきっかけにして「考えること」に対して一歩先に進むことができる。シード権を与えられるのよ。

というくだりや、深い思索を軽やかな言葉で表出させているところに、橋本治の『青空人生相談所』(名著!)と共通する精神を感じた。ご本人によればスーザン・ソンタグの「〈キャンプ〉についてのノート」がベースになっているそう。

特に好きだったのは「木皿泉は日本の宝よ」「松田聖子への愛と失望」「ペドロ・アルモドバルの描く母性」といった人物評、作品評。鋭さと優しさを兼ね備えた眼差しに引き込まれました。「オール・アバウト・マイ・マザー」は未見なので見なければ。『iona』も再読したくなったなあ。『iona』は自分を投影して読んだマンガとして挙げられていたのだけれど、確かに高山さんはイオナみたい。

マツコ・デラックスとの対談と、マツコについて綴った「『NO.1』を身近な人に獲られても……」、テレビを席巻するオネエキャラが語る「オンナの幸せ」について考察した「『黒い十人の女』って、“腹黒”のことならもっと素敵ね」も素晴らしかった。

わたしは自分に対する不満と他人に対する羨望で頭がいっぱいになって気持ち悪くなることがよくあるんですけど、高山さんのこの文章を心に留めておきたいと思います。

あの人もこの人も、アタシとは違う場所で戦っている。アタシとは違う幸福を求め、違う覚悟を胸に秘め、違う喜びを感じる代わりに、違う閉塞感に苦しみ、違う理不尽に怒り、違う孤独に泣いている

愛は毒か 毒が愛か (MouRa)

愛は毒か 毒が愛か (MouRa)