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近況と雑記

読売新聞朝刊で紹介した文庫新書

読売新聞朝刊で紹介した文庫新書。短評なので書けなかったけど印象に残ったところを…

わたしたちは何らかの「物語」なしに、自分の感情を感じることも、自分を把握することも、行動することも、何かを理解することも、他の人々との同意を得ることも、あるいは誤解、決裂することもできない。

という序文から引き込まれます。わたしはどんな「物語」を通して自己や世界を見ているのか? 母との関係はどうか。これから深めていきたい問いが残る本。

 

レミさんの声が聞こえてくる。食べ物おいしそう。特にスペイン。和田さんの絵が素晴らしい。シンプルな線でこんなふうに風景や人をとらえることができたら!

 

私にとって、本は異世界への扉で、読むものではなく漂う場所だった。

この〈漂う場所〉という表現がすごく好きです。

 

最初の村上春樹は猫好きで魯迅は猫嫌いだったというエピソードからしておもしろい。中国の村上春樹受容史も藤井さんならではの内容で勉強になりました。