イシイチコログ

近況と雑記

本の仕立て直し

佐藤春夫の研究者である河野龍也さんの講座で見せていただいた『美の世界』の初版限定版の装幀にひとめぼれ。ところが、限定版と間違えて普通の初版を買ってしまったのです。 しかもオレンジの布の表紙は、シミだらけで汚い。ただ、中身はすごくきれいだから…

金沢文学館めぐり2

shimirubon.jp 「シミルボン」に記事をアップしました。 5月の話をやっと書き終わったという。のんびりペースですが、よろしければご笑覧ください。文学館たのしい。

また立ちかへる

気がついたら6月も終わりそうで驚いています。 仕事の合間の息抜き。 「ミッドナイトブルー」という名前のインクで、芥川の詩を。

五月の雪

暑い週末でしたね。 タイトルだけでも涼しく。 五月の雪 (新潮クレスト・ブックス) 作者: クセニヤメルニク,Kseniya Melnik,小川高義 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

泉鏡花記念館

「シミルボン」に泉鏡花記念館の感想をアップしました。 shimirubon.jp 泉鏡花と徳田秋声という、同じ尾崎門下でありながら対照的な作家の記念館が川の両岸にあるというところが面白い。 文アルをはじめてから、いろいろ興味が広がっています。実在人物のキ…

今日の手書き

新訳が出た『蝿の王』。 無人島に不時着した少年たちの物語。社会から切り離され、人間が本来持っている野蛮な一面がむきだしになる。“蝿の王”が出現するシーンは本当に恐ろしいけど、引き込まれずにはいられない。 蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者…

万年筆ブーム

最近、自分のなかで万年筆がブームです。 手書きで好きな文章を写すことでストレス解消しています。 インクもいろんな色があって愉しい。 『春昼』の蛇が出てくる場面はぞくぞくしますね。菜の花の黄色と、蛇の赤。 春昼(しゅんちゅう);春昼後刻(しゅんちゅ…

行く方も来し方も

金沢に躑躅が満開の緑地があって、泉鏡花の「竜潭譚」を思い出しました。 行く方も躑躅なり。来し方も躑躅なり。山土のいろもあかく見えたる、あまりうつくしさに恐しくなりて、家路帰らむと思ふ時、わがゐたる一株の躑躅のなかより、羽音たかく、虫のつと立…

世界文学大図鑑

わくわくする本。 トークイベントあります。

ぼくが死んだ日

キャンデス・フレミング著、三辺律子訳、創元推理文庫 「猿の手」や「黄色い壁紙」などの名作へのオマージュもありの、せつないゴーストストーリー。

博物館に初詣

あけましておめでとうございます。 東京国立博物館で「博物館に初もうで」というイベントを開催していると知り、楽しそうなので行ってきました。 獅子舞やお神楽が見られたり、「新年を寿ぐ鳥たち」という酉年にちなんだ作品の特集展示があったり。めでたい…

葉桜と魔笛

乙女の本棚3 葉桜と魔笛 (立東舎) 作者: 太宰治,紗久楽さわ,最果タヒ 出版社/メーカー: リットーミュージック 発売日: 2016/12/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小学生の姪っ子と話していると、絵は小説を読むきっかけになるんだなと実感し…

1972

物語のなかで特定の時代を再現するって面白いなあと思います。 先日「週刊金曜日」で紹介したアンソロジー「ノスタルジー1972」とか。 ノスタルジー1972 作者: 重松清,中島京子,堂場瞬一,朝倉かすみ,早見和真,皆川博子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: …

すごい本を読んでしまった。

自生の夢 作者: 飛浩隆 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/11/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 表題作は初出のときに読んでいましたが、ほかもすごかった。今年のベストかも。

早いもので

もう1年が終わりますね。 来年の手帳兼日記帳を買いました。 ここ数年は「ほぼ日手帳」を使っていましたが、ゴムバンドのついたものに変えたくて。鞄の中で開くのが嫌なんです。万年筆は何年も前に買ったペリカンの。 スケジュールはWebのカレンダーで管理し…

四人の交差点

フィンランドのある家の三代記、100年の物語。 祖母、母、孫の嫁、母の夫という構成なので、前半は血縁があるけど、後半はない。 祖母のマリアの章がいちばん好きで、特に終盤のパンケーキを焼いては食べまくるシーンに圧倒されました。

記憶を消すことができる魔法の本

「デスノート」の記憶版のような、面白いガジェットが出てくる本を読みました。 わすれて、わすれて 作者: 清水杜氏彦 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2016/09/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 金髪のカレンと、黒髪のリリイ。ふたりの…

孤独とのつきあいかた

わかり手さんの「フリーランスの最大のリスクは孤独」って本当にその通りで、若い頃は健全だった人もフリーになって長年独身で働いてきて人格障害を発症してるっぽい素行になったりって珍しくない。メンタルだけじゃなく身体面での健康も損なわれる人も多い…

やっぱりものすごく遅いんですが

「シン・ゴジラ」観ました。 3.11を経たからこそ生まれた作品だなと思いました。あのときの映像を思い出すシーンがいくつもあって。怖ろしいんだけれども、笑える場面もたくさん。 巨災対のメンバーがみんな魅力的ですね。わたしは森課長と安田くんが好きで…

ものすごく遅いんですが

「モノノ怪」というアニメにはまっています。 こんなすごい映像が9年も前に作られていたなんて。 見てなかったの、本当に不覚。 黒猫飼っているので、「化猫」は泣きました。 モノノ怪+怪?ayakashi?化猫BOX [Blu-ray] 出版社/メーカー: 角川映画 発売日: 20…

世界の8大文学賞

もうすぐ発売です。 豪華なメンツに混ぜていただいております…… 超素敵な装画は、しきみさん。 「刀剣乱舞」の今剣と後藤藤四郎のキャラデザでも知られる方です。 めっちゃ嬉しい。 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今 (立東舎) 作者: 都甲幸治…

キンプリ

とある会合で、説明を聞いても全然わからないので、ものすごく見たくなったキンプリ。ゴールデンウィーク直前、応援上映に行ってきました。 kinpri.com 真夜中の映画館が満員御礼。最初から最後まで笑いっぱなしで、素晴らしいエンターテインメントでした。…

気になる本

新潮新書の『食魔 谷崎潤一郎』、帯は谷崎の文庫と同じ加山又造の絵を使ってある。素敵だ。著者は『吉祥寺の百日恋』の坂本葵さん。 悪女の「フード理論」とか、人間のクズたちが美食を極めるとか、煩悶青年とぷるぷる鮑とか、目次の見出しを眺めるだけでも…

孤独のススメ

田園地帯を走るバス。乗っているひとりの男。空に描かれる「MATTERHORN」の文字。予備知識ゼロで観に行ったので、はじめは北欧の映画かと思った。舞台はオランダ。 主人公のフレッドは、田舎町にひとりで暮らしている。リビングに飾られた妻と息子らしき人の…

久しぶりの更新。

はてなブログの編集画面かわった? 仕事が煮詰まり中なので久しぶりに日記を書いてみようかなと。 実家は九州ですが、地震の被害はなかったようです。台風には慣れているけど、震度5以上の揺れなんて経験したことがない人が多いと思う。8月に帰るころには少…

作ってみた。

『きのう何食べた?』の新刊が出るたびに、1〜2品は作っている。10巻でまず作ってみたのは「豚バラ、キャベツ、にら、春雨のモツ鍋風」。シロさんが忙しい年末にササッと用意する料理だ。春雨がいい仕事をしていて、ビールによく合う。 おうち焼き肉の美味し…

チェコ旅行メモ

ガイドブックがあまり役に立たない。 15 地球の歩き方 aruco チェコ 2014~2015 作者: 地球の歩き方編集室 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2013/12/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 今回持っていったのは『地球の…

チェコ日記7

最終日。 カレル・ゼマン博物館→国立美術館→シナゴーグ。 カレル・ゼマン博物館は日本語ガイドが読めるタブレットが借りられて、体験コーナーも充実していて、すごくよかった。ゼマン監督の映画が見たくなります。 美術館はシュティルスキーの絵が見られてう…

チェコ日記6

世界遺産の町、チェスキー・クルムロフへ。 スチューデントエージェンシーの黄色いバスでプラハから3時間かかる。でも、鉄道よりバスのほうが時間はかからないらしい。 地域博物館を見て、昼食。 チェスキークルムロフのグリル料理の店。 人気店らしく団体客…

チェコ日記5

ふたたびプラハへ。 プラハ城とカレル橋、フランツ・カフカ博物館という王道の観光コースをめぐる。 自分たちも含めてアジア人で大混雑だった聖ヴィート大聖堂↓ ステンドグラスが美しい。怪盗が予告状を出しそうな王冠。 夜は人形劇を見た。 王様が森を歩き…

チェコ日記4

プラハから鉄道でブルノへ。 チェコ第二の都市で、モラヴィアの中心地。 ブルノ駅 第二の都市といってもこぢんまりとしていて居心地がいい。演劇の街らしく、劇場がいくつもあった。 散歩しつつ、おもちゃ博物館、ブルノドラゴンがある市庁舎を見て、一泊。 …

チェコ日記3

3日目はクトナー・ホラへ。 旅行会社経由でツアーを頼んだ。車だから移動は楽ちん。 日本人のガイドさんが中世に銀鉱で栄えた街の歴史について説明してくれる。 目当てはなんといっても墓地教会だ。 中に入ると骨、骨、骨の山! 墓地に納まらなくなった骨を…

チェコ日記2

2日目はプラハの旧市街をぶらぶら。 石造りの美しい建物にファストファッションやファストフードの店が入っている。 恩田陸さんのエッセイで知った共産主義博物館の展示が興味深かった。小学校の備品のガスマスク、さまざまなプロパガンダ絵画、ビロード革命…

チェコ日記1

チェコに来ています。 行きの飛行機はフィンランド航空。毛布がマリメッコ! プラハ上空。 Instagram 19:00ごろ到着。まだ明るい。早速ビールで乾杯。代表的なチェコ料理、グラーシュを食べました。 グラーシュ

書いた記事、紹介した本

「DRESS」2015年6月号 書評 『EPITAPH東京』恩田陸(朝日新聞出版) 『女子とニューヨーク』山崎まどか(メディア総合研究所) 『東京自叙伝』奥泉光(集英社) 「日経ウーマン」2015年6月号 インタビュー 『ナイルパーチの女子会』柚木麻子(文藝春秋) 「…

書いた記事、紹介した本

「DRESS」2015年5月号 書評 『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』ジュディ・バドニッツ著、岸本佐知子訳(文藝春秋) 『狼少女たちの聖ルーシー寮』カレン・ラッセル著、松田青子訳(河出書房新社) 『わたしたちはその赤ん坊を応援することにした』朝倉かす…

スポークンワード『ジュンのための6つの小曲』

ジュンのための6つの小曲 作者: 古谷田奈月 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/11/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 昨日は「スポークンワード」に行ってきた。 作家と書評家とゲームクリエイターが、他人の本を応援&朗読(チア…

読書夜話

別冊ele-king『読書夜話』で21世紀に翻訳された海外文学を10作紹介しています。 すごく悩んだ末に、書き手が存命のものにしぼりました。 ほかの執筆陣、対談、インタビューが超豪華なのでぜひご一読を。 最初のほうに載っている猫の写真もかわいい。 別冊ele…

大ニセモノ博覧会

国立歴史民俗博物館で開催中の「大ニセモノ博覧会」に行ってきた。 入り口の前に、一億円と千両箱のレプリカが置いてある。千両箱は重すぎて持ち上がらなかった。 最初に展示してあったのは安南陶器のニセモノ。絵付けがあまりにもゆるくて可愛いので笑って…

書いた記事、紹介した本

こんな仕事をしました。敬称略。 「DRESS」2015年4月号 書評 『賢者の愛』山田詠美(中央公論新社) 『痴人の愛』谷崎潤一郎(新潮文庫) 『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』谷崎潤一郎(集英社文庫) 「週刊文春」2015年3月12日号 インタビュー 「新・家の履歴…

『愛は毒か 毒が愛か』

友人がTwitterで紹介していた「ラブピースクラブ」の コラムで知った編集者・ライターの高山真さん。 どの文章もおもしろくて、WEBに載っているコラムは全部読んでしまいました。 もっと読みたくなって『愛は毒か 毒が愛か』を購入。 世の中は平等ではないわ…

書いた記事、紹介した本

どうして28日しかないのか。 あっぷあっぷの2月。書いたものです。 「DRESS」2015年3月号 書評 『私はテレビに出たかった』松尾スズキ(朝日新聞出版) 『老人賭博』松尾スズキ(文春文庫) 『キャラ化する/される子どもたち』土井隆義(岩波書店) 「週刊…

書いた記事、紹介した本

最近の仕事です。著者敬称略。 「日経ウーマン」2015年2月号 インタビュー 『パリ行ったことないの』山内マリコ(CCCメディアハウス) 「週刊金曜日」2015年1月9日号 インタビュー 「どんどん苦しくなる感じ――ゾッとする『戦前との符合』」作家・中島京子 「…

本のニュース備忘録

気になった本のニュースをメモ。又吉直樹「火花」を掲載した「文學界」はあっという間に品切れて創刊以来初の増刷決定だそうです。 「群像」2015年2月号の特集は「絵本 御伽草子」。 新春特別企画、オールカラー保存版「絵本 御伽草子」! 町田康、堀江敏幸…

本のニュース備忘録

気になった本のニュースをメモ。 村上春樹がなんでも答えます!期間限定サイト「村上さんのところ」1月15日 (木)午後オープン! サイトのイラストはフジモトマサルさん。 <a href="http://www.shinchosha.co.jp/murakamisannotokoro/" data-mce-href="http://www.shinchosha.co.jp/murakamisannotokoro/">村上春樹がなんでも答えます!期間限定サイト「村上さんのところ」1月15日 (木)午</a>…

謹賀新年

あけましておめでとうございます。 2014年の締めくくりに読んだ本は『黄金時代』(ミハル・アイヴァス著、阿部賢一訳、河出書房新社)でした。 アイヴァスの『もうひとつの街』にこんな文章があります。 本当の出会いはどういうものであろうとも、既存の世界…

最近の仕事

今年最後の掲載記録。「産経新聞」の「今年、私の3冊」は、某誌のアンケートに出して採用されなかった作品の中から新聞の読者におすすめしたい本を選びました。 ・「小説新潮」2015年1月号 書評 『丹生都比売』梨木香歩(新潮社) 『NOVA+ バベル』大森望編…

『ゴーン・ガール』が楽しい理由

このあいだの日記を書いたあとに思ったこと。 記録として残しておこう。 最悪で最高の夫婦 - 本の牛 最悪で最高の夫婦 - 本の牛 『ゴーン・ガール』は両親と彼らが創作した「アメイジング・エイミー」に対するエイミーの復讐の物語でもある。人間の厭な部分…

帰省前に読むと怖い本

<a href="http://matome.naver.jp/odai/2141489518781718101" data-mce-href="http://matome.naver.jp/odai/2141489518781718101">みんなどうしてる?正月の帰省・夫の実家vs妻の実家 - NAVER まとめ</a> みんなどうしてる?正月の帰省・夫の実家vs妻の実家 - NAVER まとめ 年末年始の帰省。夫と妻、どちらの親もないがしろにはしたくないけど、身体はひとつしかない。まとめは〈円満の秘訣は…

最悪で最高の夫婦

『ゴーン・ガール』は陽気な猛毒というか、笑いながらメッタ斬りにされるというか、どす黒いのにとても楽しいミステリだ。 ニューヨークで雑誌のライターをしていたニックとエイミー。出版不況と電子書籍の隆盛によって職を失った夫婦は、2年前からニックの…